東区の香椎に立つ「香椎宮」は福岡を代表する神社の1つであり、全国に16社ある勅祭社(祭祀に際し、天皇によって勅使が遣わされる神社)の1つです。かねてより注目していた香椎エリアの中心的パワースポットともいえる夫婦の宮「香椎宮」。
1800年の歴史を持ち、底知れぬパワーを感じる香椎宮を今回は紹介したいと思います!
Contents
「香椎宮」までのアクセス
香椎宮へはJR「香椎神宮駅」からが一番近いのですが、今回は地下鉄箱崎線とも繋がっている西鉄貝塚線「香椎宮前駅」からの行き方を紹介しています。
西鉄香椎宮前駅
セレブな雰囲気が漂う西鉄「香椎宮前駅」。改札を出て西口から出たら、そのまままっすぐ出ていくのではなく、右手後方にある通路から階段を上って出口反対側の道路に出ます。
出入り口の右手後方にある通路階段を上って左方向へ
駅の裏手の道を左に直進!
駅の裏手の道路に出たら、左方向(画像の道路をまっすぐ)に100m程進みます。
四つ角から踏切を渡って右の香椎参道に入る
踏切を渡ると、素敵な並木道の参道が続く
西鉄貝塚線の踏切があるので、ここを渡ると香椎参道の「勅使道」に入ります。
香椎宮 一の鳥居
香椎宮の一の鳥居をくぐり、右側の坂を登ると、2年に一度の神幸式が執り行われる「香椎宮 頓宮」があります。この頓宮から香椎宮までの参道のことを勅使道といいますが、雰囲気としては穏やかで品のある国体道路の「けやき通り」のような感じです。この並木はけやきではなく「クスノキ」なのだとか…!
「いしむら 勅使道店」
香椎参道から少し歩くと飲食店やパン屋さんなどが軒を連ねる通りに出ますが、そのさらに先に「石村萬盛堂」のカフェがあります。おしゃれですねー。
「勅使道」のバス停を過ぎると、3号線バイパスとJR香椎線の線路に出る
この少し手前に「勅使道」のバス停があり、その先に3号線バイパスとJR香椎線の線路と交差するポイントがありました。ここも抜けていきますよ。
ようやく香椎宮に到着!
参道は決して短い距離ではありませんが、そんなに歩いた感覚はなく、12分なんてすぐでした!
香椎宮敷地に入る入口
ここから入っていくんですね。参道からずっとクスノキの並木道が続いており、敷地内も緑に囲まれた爽やかな空間となっています。
「香椎宮」の御由緒
西暦200(仲哀天皇9)年、熊襲征伐のための西征で仲哀天皇が筑紫の行宮(天皇の行幸の際、旅先に設けた仮宮)で崩御し、神功皇后は愛する仲哀天皇のために泣く泣くこの地に祠を建て、そのご神霊を祀られたのが香椎宮の始まりと伝わっています。
神功皇后の宮は、皇后自身が受けた御神託によって723年に、朝廷が社殿の造営を始め、翌年の724年に完成。仲哀天皇と神功皇后の両宮を併せて香椎廟と名付けられました。
明治維新後の1871(明治4)年、近代社格制度において国幣中社に列格。その14年後には官幣大社に昇格し、太平洋戦争後は神社本庁の別表神社に列しています。
「香椎宮」の御祭神
主祭神が仲哀天皇と神功皇后で、配祀神が応神天皇と住吉大神となっています。
仲哀天皇…日本武尊の第2子であり、日本の第14代天皇。妻は神功皇后。熊襲との戦いに敗れた仲哀天皇は、志半ばにして筑紫で崩御。その意志を継いで、妻の神功皇后が熊襲討伐を成し遂げる。
神功皇后…日本の第14代天皇・仲哀天皇の妻で、仲哀天皇が生前成し遂げられなかった熊襲討伐を果たし、その後、懐妊中でありながら三韓征伐も成し遂げた勇敢な皇后で、配祀神の応神天皇の母神にあたる。
応神天皇…日本の第15代天皇で4世紀後半頃の大王。古事記と日本書紀には、大陸から日本に渡ってきた渡来人を用いて国を発展させ、中世以降は軍神八幡神としても信奉された。
住吉大神…伊弉諾尊が禊祓を行った際、海中から出現したとされる住吉三神(底筒男命・中筒男命・表筒男命)を指している。全国の住吉神社に祀られている神々で主に海上安全・交通安全のご利益を司る。
「香椎宮」のご利益
香椎宮の主なご利益は、国家安寧・世界平和・開運招福・厄除け・夫婦円満・芸能上達・武運長久・安産・子授け・不老長寿・航海安全・交通安全などが挙げられます。
「香椎宮」の境内の見どころ
勅使道(香椎参道)
「勅使道」とは、頓宮から香椎宮まで約1km続く楠並木の参道のことを指していると紹介しましたが、その名前の由来は、天皇の使者のための道であることからだそうです。古くは神の道とされ、2年に一度の神幸式も斎行される道なのだとか。
勅使道付近一帯には、神功皇后に関わる伝承地が分布しているそうですよ。このクスノキの並木道を歩いていると、不思議と癒やされる感覚を覚え、初めて来たのに非常にお気に入りのスポットとなりました!
しょうぶ池
緑が美しいしょうぶ池
深い緑色をたたえた静寂なしょうぶ池。入口に近い場所にあり、この奥には池の中に立つ形で「弁財天社」があります。この池には龍神様が棲むという声もあるようですが、確かにきくまるがこの池に近づいた時だけ小雨がぱらついて来たので、それは有り得るかもしれません。
しょうぶ池の不思議な木
このように不思議な形をした木も生えているので、非常に神秘的です。6月頃に見頃を迎える菖蒲の季節には、美しい菖蒲の花が咲き誇り、「菖蒲初刈神事」が行われるのだとか。その頃にまた伺いたいものです。
弁財天社
しょうぶ池と弁財天社
池の中之島に立つ弁財天社は、宗像三女神の一柱で弁財天とも同一視される市杵嶋姫命が御祭神で、商売繁盛・技芸上達のご利益が期待できるといわれています。大変美しい神様で知られている為、美容祈願に訪れる方もいるそうですよ。
楼門
立派な楼門
ご社殿の前に立つ立派な楼門は重層の桧皮葺総欅白木造で、1903(明治36)年に再建されたものです。左右の筋塀は寺社の最高位を示す五本筋となっているのだとか。風格と格式の高さが感じられる歴史的建造物です。
拝殿・本殿
香椎宮拝殿
香椎宮のご社殿は、本殿・拝殿・幣殿で成り立っていますが、楼門から入ってすぐに拝殿があり、幣殿、本殿と続いています。どの建物も朱赤に塗装された美しく立派なご社殿で、木々の緑との色合いが素敵です。楼門を抜けて拝殿にお参りしようとしたら、お祓いをされている方向けに「デデデンデン」と太鼓の音が鳴り響いてきました。太鼓の音って心地良い響きです。
香椎造の本殿
本殿は「香椎造」という日本でも大変珍しい独自の建築様式で、造りも変化に富んでいるのが特徴だそうです。奈良時代の724年に建立され、江戸時代の1801年に福岡藩主の黒田斉清(長頼)によって再建。国の重要文化財に指定されています。
御神木の綾杉
ご社殿に入る手前の広場に立つ御神木の綾杉は、木の塀で囲まれた巨大な杉の木です。この綾杉は、西暦200年、神功皇后が「とこしへに本朝を鎮め護るべし」と祈りを込めて植えられたもので、国家鎮護の象徴としてその杉の葉を宮中に献上してきたとのこと。
葉が綾のように交互に生えていることから「綾杉」と呼ばれているそうですよ。きくまるは、その大きさに圧倒されそうに…!合わせて世界平和をお祈りしてきました。
古宮(仲哀天皇橿日宮蹟)
仲哀天皇ゆかりの古宮と不老水に向かう門
香椎宮のご社殿を後にして、向かって右側にある門のところに来てみると、「仲哀天皇橿日宮蹟(古宮)」と「不老水」への案内が立っていました。15時より前に来れてよかった…。
木立を抜けて古宮へ
このような静かな木立の中を少し歩いた先に御祭神の仲哀天皇が国家鎮護の拠点としたとされる橿日宮跡地(古宮)があります。
こちらが「仲哀天皇橿日宮蹟(古宮)」
ここが仲哀天皇ゆかりの跡地なのだなあ…。こちらはかつて「香椎廟」ともいわれ、仲哀天皇の廟跡と伝わっています。ここは香椎宮の中でも特別な場所だと感じましたよ。
不老水
古宮に行く手前の巻尾神社(仲哀天皇と神功皇后に仕えた五大臣の中臣烏賊津大連命を祀る境内社)のお隣に不老水の案内地図がありました。古宮の先に不老水があるようです。行ってみましょう。
不老水に至る小道
古宮から左側の小道を300m近く進んだ所に不老水がありました。一般の民家を抜けて行くので、本当にこんな所にあるのか心配になりましたが、何やら赤いものが見えてきましたね!
ようやく辿り着いた不老水のあるお社!
境内にはなんとも貴重な絵が残されている
不老水のある境内には、なんとも貴重な絵が残されていました。仲哀天皇や神功皇后にも仕えた忠臣の武内宿禰命は約300年も生きたといわれる長寿の中の長寿で知られる人物で、絵には仲哀天皇と神功皇后に不老水を献上する武内宿禰命が描かれていました。
奥のお社の中に不老水の井戸があり、蓋を開け、柄杓で水を掬っていただけるようになっています。はあ、ありがたい…。いただいたのはほんの少しで、そんな何リットルもいただいてませんよ(笑)
注意書きに「ハチ🐝に注意」と書かれてあったので、かなり警戒していましたが、たしかにハチさんは居たものの、お社の外側を大変遠慮がちに飛んでいて助かりました。^^
境内社
香椎宮には計12社の境内社(摂末社)がありますが、その中からピックアップしてみました。
稲荷・鶏石神社
稲荷・鶏石神社
御神木の綾杉の近くには、稲荷神社と鶏石神社が並列して立っており、稲荷神社は五穀豊穣・商売繁盛・殖産興業のご利益が、鶏石神社は修理固成・五徳向上・養鶏・育児夜泣きにご利益があるといわれています。
武内神社
武内神社
武内神社に祀られている武内宿禰命は、景行天皇・成務天皇・仲哀天皇・応神天皇・仁徳天皇の5人の各天皇に仕えたといわれる伝説上の人物で、かなり長寿の神様として、延命長寿・病気平癒・武運長久・厄除け・立身出世・知恵向上・学業成就などのご利益があります。
武内神社は「不老水」とは離れた場所にあり、ご社殿に入る前の左側に位置しています。
巻尾神社
巻尾神社
古宮と不老水に向かう門のすぐ先(不老水の案内地図の左側)にある巻尾神社は、仲哀天皇と神功皇后に仕えた五大臣の中臣烏賊津大連命を祀る神社です。お二人が国家鎮護のために尽力されていた側で仕えていた忠臣の1人ということですね。巻尾神社には、勝負運向上、武芸上達のご利益があるそうです。
勅使館
勅使館は勅使(天皇の勅旨を伝えるために派遣された使者)の参向の際、参籠潔斎する(神官などが一定期間籠もって世俗を絶ち、ご神事にあたる際に身を清める)ための建物なのだそうです。社務所のお隣にあります。
「香椎宮」のお守り
香椎宮の授与所
香椎宮のお守りはオリジナリティもあって高級感に溢れているのに、大抵のものが800円とリーズナブルで、はっきり言って「絶対買って損はないお守り」だと思います。
袋守りや守護の御札など、そこはかとない品と高級感漂うものばかりです。
仲哀天皇亡き後、熊襲討伐と三韓征伐を成し遂げられた神功皇后や、中世以降は軍神八幡神として信奉された応神天皇が祀られている神社ですから、「勝守」なんてそりゃご利益があるに違いない!九州に落ち延びた足利家も香椎宮のご守護で勝ち戦を実現したそうですよ。
そのほか、ご利益別になんでもお守りは揃っていますが、中でも「肌守」や「安産御守」、樹齢1800年を超える綾杉にあやかった「健康長寿御守」、小ぶりで可愛い「健康御守」などもご利益が高そうです(いや、こちらのお守りはどれもご利益ありそう…)。
香椎宮の御神札・お守りはこちら
「香椎宮」のおみくじ
スタンダードなおみくじ
香椎宮のおみくじは赤いポストのようなボックスの中に入った100円のスタンダードなおみくじと「目出鯛」にちなんだ鯛のおみくじなどなど、たくさんの種類のおみくじがありました!
その他さまざまなおみくじの数々
いろいろあって迷ってしまう…。でも結局スタンダードなおみくじを引きましたが、厚紙がしっかりと入ったデラックスなおみくじでした。神様の思し召しは「このおみくじにあう人は もの事を急ぐべからず」とのこと。はい、肝に銘じます…。
お正月には少し高くはなりますが、「福みくじ」といって景品付きのおみくじもあるみたいですよ!
今も仲哀天皇と神功皇后の命日には御神事が行われ、10年に一度勅祭が斎行される香椎宮。初めて訪れたにもかかわらず、静謐な境内や1kmの参道の美しさに一度で心を奪われてしまいました。親切な巫女さんにも感謝。まだお参りしたことがなくて気になる方には、絶賛おすすめのパワースポットです!
<基本情報>
神社名 | 香椎宮 |
住所 | 福岡県福岡市東区香椎4丁目16-1(JR「香椎神宮駅」から徒歩約4分/「西鉄香椎宮前駅」から徒歩約12分/JR・西鉄「香椎駅」から徒歩約15分) |
電話番号 | 092-681-1001 |
営業時間 | (平日)9:00~16:00 (土日)9:00~17:00 |
定休日 | なし |
駐車場 | あり(無料・約300台)/大型バスも駐車可能 |
公式HP | https://kashiigu.com/ |